遺伝子は人間の設計図であり、詳しく調べていくと体質や病気のリスクなどを知ることができます。

では遺伝子検査をすれば障害がわかるのかというと、発達障害や体の組織が普通とは違うということを調べることはできます。

ただ、すべての障害で原因となる遺伝子の異常が判明しているわけではありません。

というのも、原因ではないかと思われる遺伝子の数が多すぎて、絞り込むことが難しいからです。

それに障害では遺伝的要因でなく、ウイルス感染や栄養失調というように別の要因によって引き起こされるものもあります。

すべての障害が遺伝子検査で調べられるわけではありません。

遺伝子以外の環境的要因については、また別の検査をしたほうがいいです。

さらに、通常は遺伝子から障害のことを調べるときには、医療機関で唾液や血液を採取して調べます。

それに対してネットなどで販売されている遺伝子検査キットは、販売している検査会社の技術力にバラツキがあります。

同じ検体を使って検査を依頼したとしても、異なる結果が出てくることも珍しくありません。

そうなると、遺伝子検査キットというのは、どこの検査会社であれば信用できるのかわからないので、障害かどうかを判別することは難しくなります。

万が一にも、検査結果が間違っていて正常であるのに障害があると思い込めば、それからの生き方に大きな影響が出る恐れがあります。

太りやすいとか肌が弱いというように、それほど重要なことではないことを調べるのであれば遺伝子検査キットでも良いでしょうが、障害の有無を調べるのにはあまりふさわしい方法とはいえません。

ですから、遺伝子の異常が原因で障害になっているのであれば、大学病院や総合病院あるいは研究所など高度な技術をもつ医療機関で遺伝子検査をしてもらった方が良いでしょう。

もし、原因が特定されている障害であれば、それではっきりと判断ができます。

どのような障害なのかわかれば、治療方針も立てやすくなります。

まだ、研究が進んでいるという段階ですが、遺伝子治療で、発達障害などが改善できる可能性が出てきています。

とはいえ、遺伝子にアプローチすることには倫理的・法的問題もいつになったら実現できるのかはわかりません。

でも、自分で遺伝子検査キットを使って調べるよりも、医療機関で調べてもらったほうが投薬などの治療を受けて症状の改善、それができなくてもこれ以上は悪化しないようにすることで、将来的に遺伝子治療を良い状態で受けられるように備えられます。

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